その音の色、その色の音
その音の色、その色の音
物心ついてまだ間もない頃、ピアノを習い始めた時に使った教材は、
ドレミのひとつひとつの音を色で視覚的に覚えさせるメソッドでした。
ドは赤、レは黄色、ミは緑色…といった具合に。
鍵盤の奥にそれぞれの色の紙を差し込み、教材の音符に色ぬりをして、
色に合わせ鍵盤をひとつひとつ押さえて弾いていったのは楽しい思い出です。
おかげで、今でもドの音を聞けば赤い色が「見え」ますし、他の音も同様です。
そのおかげで単音の聴音は得意になりました。
けれどもそのメソッドの弊害か、単に自分の資質の問題か、和音を聴き取ることはあまり得意ではありません。
ドミソは決して赤と緑と水色を混ぜた色ではなく、ドミソとミソドとソドミには明らかに違う響きがあり、それを色に喩えようとしたところで、少なくとも8色程度の色鉛筆セットにあるような単純な色名では言い表せません。
そもそもやはり、音と色を一対一で対応させて表すことは不可能なのでしょう。
ピアノのドとチェロのドでは全く音色も質感も違い、同じ楽器で奏でる同じ高さの音でも、
強弱やタッチで全く違う色彩を纏いますから。
そろそろ、幼児の頃に刷り込まれた単純な音の色分けから、自分の耳と目を解放しなくてはいけないのかもしれません。
けれども、「音色」という言葉があるように、音という、目に見えない空気の波を色で表現したいという
欲求を人間は常に抱いてきたように思えます。
アルチュール・ランボーは母音の色を「発明した」と書きました。
Aは黒、Eは白…。
目を見開いて、耳を傾けて、目の前の花が奏でる音を自由に聴いてみましょうか。
FLOWER*FORTUNEの定番、CUBEシリーズは怜悧なピアノの音が聴こえてきそうな
ガラスのキューブに可憐な薔薇がおさめられた、シンプルなアレンジ。
薔薇の色によって様々な色が聴こえてきませんか?
3つのキューブがスタッキングされたCUBE3は三色の薔薇の奏でる和音が響きます。
ぜひ、あなただけの色のハーモニーを見つけてください。
文 御木里空
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