ボックスフラワー

 

世界を満たす色をめぐって

日本語に「喜色満面」「顔色をうかがう」「気色ばむ」などの表現があるように、色と人間の感情にはつながりがあると昔から考えられていました。
西洋でも、アリストテレスの「色彩論」にはじまり、古代より人は色について思索を重ねてきました。
19世紀には、ゲーテとシラーが「気質の薔薇(rose of temperaments)」という理論を発表し、12種類の色と人間の気質、さらには職業の関連付を試みています。

 

ある特定の色彩が、世界中の全ての人に同じ感情やイメージを与えるかというと、必ずしもそうではなく、文化・習慣による違いもあるようです。
例えばタイでは、月曜日は黄色、火曜日は桃色、水曜日は緑色と、曜日ごとにシンボルカラーが決まっています。
タイの人々は、自分の生まれた日の曜日の色をラッキーカラーとして身に着けたりするとか。
日本人なら、漢字のイメージから、火曜日は赤など炎の色、水曜日は水色を連想することが多いのではないでしょうか?
また、同じ色でも、例えば黒などは死や弔いのダークなイメージがある一方で、黒のカクテルドレス、タキシードなど、高級なイメージを与えることもあります。

これからFLOWER*FORTUNEブログでは、様々な色の持つイメージや歴史について、掘り下げていく予定です。
なにげなく選んだお花の色は、今のあなたの心模様を反映しているのかもしれません。
また、どこにどんな色のお花を飾るかによって、心の持ちようが大きく影響されることもあります。
お花との付き合い方がますますディープに、知的好奇心をくすぐるものになることでしょう。

どうぞお楽しみに。

 

文  御木里空